「俺、おまえの事好きなんだけど」

(え、うそ、本当!?阿部が私を!?やだ嬉しいどうしよう!やばっ、泣きそうなんだけど!嬉し涙が・・・!!)
それは放課後教室に残って日誌を書いていた時に起きた。もう一人の日直がさっさと帰ってしまい一人で泣く泣く日誌を書いていたらがらりと教室のドアが開いた。きっと先に帰ってしまった日直が帰って来てくれたのだと思い文句の一つや二つ言ってやろうと思って思い切り振り返った。

「ちょっと、先帰るとかずる、あ、れ?阿部?」

文句を途中まで言って気付く。そこに立っていたのは先帰った薄情な日直ではなく土が僅かについたユニフォームを着た阿部隆也だった。

「何やってんの阿部ー部活は?」
「休憩中、タオル忘れたから」

それだけ言ってがたがたと机と椅子を鳴らしながら自分の席に向かった。

「じゃあ部活頑張ってー」
「あのさ、」

そして冒頭に戻る。

「返事は?」
「あ、わ、私も「オイ、起きろ!」
「は、え?」

がば!と起き上がる。(え、夢!?)そこは教室で目の前には先生、そして皆の視線は私。ちらりと阿部の方を見たら目があった、あ、ため息つかれた・・・!

「よく寝れたかーー」
「あ、はいおかげさまで!」
「じゃあこの問題解いてみろ」
「えええ!」





「踏んだり蹴ったりだ・・・」

もとはというと授業中寝た私が悪いのだけれどあの夢は惜しかった・・・。まさか夢だとは。ついてないなあ自分。ついてないついでに今日は日直だ、一緒に日直の人はそそくさと帰ったみたいだ。夢と一緒なんだから本当にならないかなー、なーんて。ため息をついたらいきなりがらりと教室のドアが開いた。きっと先に帰ってしまった日直が帰って来てくれたのだと思い文句の一つや二つ言ってやろうと思って思い切り振り返った。

「ちょっと、先帰るとかずる、あ、れ?阿部?」

文句を途中まで言って気付く。そこに立っていたのは先帰った薄情な日直ではなく土が僅かについたユニフォームを着た阿部隆也だった。(え、夢と同じ!?)

「な、何やってんの阿部ー部活は?」
「休憩中、タオル忘れたから」

それだけ言ってがたがたと机と椅子を鳴らしながら自分の席に向かった。

「え、と、じゃあ部活頑張ってね!(これも夢!?現実!?)」
「あのさ、俺、おまえの事好きなんだけど」

(え、うそ、本当!?阿部が私を!?やだ嬉しいどうしよう!やばっ、泣きそうなんだけど!嬉し涙が・・・!!てかこれ正夢じゃん!私ってエスパー?ってそれどころじゃないよ!!)

「私も好き!」




夢見る乙女は夢を見た



(夢が覚める前に)