朝、ホームルームの時間になっても隣の席のが来なかった。 一時間目は物理だ。 しかも俺の席は1番後ろだからメールをしてもばれないだろう、 そう思って携帯を開いてのアドレスをディスプレイに呼出した。 to subject おーい ----------------------------- 生きてるかー 送信ボタンを押して携帯を閉じる。 それから三分後、からメールが返って来た。 from subject はーい ----------------------------- 生きてるよー、どうしたの? to subject 無題 ----------------------------- 今どこにいんの?家? 今度はすぐにきた。 はメール打つのがかなり速い。 from subject Re: ------------------------------ 学校。屋上にてサボリ中ー 高瀬も来る?なんちゃってー 何がなんちゃってー、だ。 俺(達)が暖房の効き過ぎた教室にぎゅうぎゅうに詰め込まれて授業を受けているのに は一人開放感抜群の屋上でサボリ。 屋上は寒いけどここよりはマシなはずだ。 からのメールに返信はしないで携帯を制服のポケットに滑り込ませた。 「せんせーい」 「なんだ、高瀬どうした」 「保健室行ってきていいですか?」 「どこか悪いのか」 「頭痛くて、」 「わかった、行ってこい」 「はい」 教室のドアをパタンと閉めてため息。 サボる時は未だに緊張する。 それから屋上へ向かう階段を上り、屋上のドアを少し開いた。 ドアの隙間から冷たい風が吹いてマフラーとか持ってきてればよかった、と後悔。 でも保健室行くのにマフラーっておかしいしな。 キィ、と 建て付けの悪いドアを一気に開けて寒い空気が漂う屋上に足を踏み入れた。 辺りを見渡してみると床に寝転がってこっちを見ていると目が合った。 「高瀬じゃん、何やってんのー?サボリ?」 「おまえもサボリだろ、ってか誘ったのおまえだろ」 「なんちゃってーって付けたじゃんかー」 まさか来るなんて思わなかったよ、と言って上半身を起こした。 「で、は何やってんの」 「え、特に何もやってないよ」 ただサボリたくてサボっただけ。高瀬だってそうじゃないの? それもあるかもしれないけど、 けど? ねーねー、けど、何よ!と上半身を俺の方に乗り出して続きを言うよう催促する。 目をキラキラさせて好奇心旺盛な子供みたいだ。 「がいるから、って理由もあるんだけど」 そう言って俯いたの顔を覗き込むと真っ赤な顔で睨まれた。 「高瀬の馬鹿!」 「な、」 「・・・反則」 馬鹿、と呟いて顔を背けた。 そんなが愛しく思えて真っ赤な頬にキスを落とした。 |