土方さんの好きな人が死んだんだって、

そのことを山崎から聞いたとき頭の中が真っ白になった
土方くんもきっと頭のなかが真っ白になってるだろうけど私も真っ白になったんだ


「土方くん・・・」


放課後の教室、忘れ物を取りに戻ったら土方くんがいた

窓際の席に座ってぼんやりと夕焼けを見ていた

夕焼けが教室を明るく照らし、土方くんのことも明るく照らしていた
黒髪は光が反射してキラキラしていた(綺麗だ、反則なくらい)

このまま帰ろうと思ったけど机にあたってガタンと音がなった

「・・・
「あ、ゴメン・・・」

思わずあやまると土方くんはまた窓の外を見た
そんないつまでもぼんやりしている土方くんにちょっと(ホントにちょっと)カチンときた

いつまでぼんやりしてるつもりなの?

「土方、くん!」

ビクッとして土方くんが私をみた
(確かに自分でもびっくりするぐらい大きい声だったけど)

「悲しいことがあったんだと思うよ!でも、でもさ、ずっと悲しんでたらダメなんじゃないかな!」
「ぼんやりしないでよ、見てて、辛いよ・・・」
「オイ、」
「いつもの土方くんに戻って・・・、そんな土方くん土方くんじゃないよっ・・・」

ああ、最低だ私
こんなに悲しんでいる土方くんにこんな酷いこと言うなんて

「私、はっ・・・いつもの土方くんが好きだよっ・・・!」
「・・・わりィ」




Good by.First love

(これで貴方が元に戻るのなら)(私はいつでも傷つきましょう)