銃をかまえ暗い路上を進む。辺りは暗く見通しも悪い。辺りの気配を気にしつつ進む。何も起こる気配のないことに安堵しつつ手前の路上を右に曲がるとーーーーー 「っぎゃぁああ!!」 がばっと被っていた布団を跳ね退け暗い部屋を見渡す。暑い、汗が夜着に張り付いて気持ち悪い汗だくだし。いやいやいや!それよりあの夢はなんだ最悪じゃないか。昼間沖田隊長に無理矢理やらされたゾンビゲームが夢に出てきた。こわっまじこぇえあの野郎わかっててやりやがったな!私繊細なんだから!影響されやすいんだからぁああ!!・・・と、しかしこれからどうしよう。時刻は草木も眠る丑三つ時。・・・最悪じゃん。タイミング悪すぎだよ私。明日は朝から見回りだからとっとと寝ておきたい。じゃないと明日死んでしまう。さてどうしたものか。誰か起きてる人いないかな、あ、局長起きてないかな。よし、一人でいるよりはマシだ!いざ、参る!!と飛び出したのはよかったが怖い恐すぎるよ屯所。真っ暗で見通しが悪いしなんか台所からぴちょんぴちょん聞こえるし!ちゃんと蛇口閉めろぉお!怖いだろ!みしみしと音を立てて廊下を進む。うう左手に見える真っ暗な庭が怖い。平隊士の大部屋にお邪魔する気は毛頭ないから先の隊長クラスの個室を狙う。局長起きてますよーに。みしみし。 Oh my god!じーざす!局長の部屋に明かりはついていなかった。あああ信じられないアンビリーバボー!此処まで怖いの堪えてきたのに!戻るのすら怖いのに!!あああああ!とがくりと膝を折って床にうなだれた私の前に一筋の光が差し込んだ。いや、比喩的表現ではなく!がばっと顔を上げるとそこには眉間に皺を寄せた副長が立っていた。 「・・・か?何してんだおめーは」 「ふ、くちょぉおおお!!」 「どわっ!何すんだおまえ!」 神は私をお見捨てにはならなかった!おお神よ!普段信じてなんかいないけどありがとう!都合よくてすんません! 「Help me!」 「あん?おまえ何人だ言ってみろ。こっちは眠いんだよ」 「す、すみません!あ、あああああのっ!!」 「・・・何だよ」 「一緒に寝てください!」 「は、ぁぁぁぁあああああ!?」 「お願いします一生のお願いですぅう!」 「意味わかんねーよ!意味が!」 「だってゾンビが!ゾンビがぁぁあ!」 「ああ!?ゾンビだぁ?」 「そうなんですゾンビが(かくかくしかじか)」 「・・・」 「だから!お願いします部屋に入れてください」 「責任取ってもらえよ総悟によ」 「嫌ですよ!怖いじゃないですか!なんか出てこれなくなりそうで!」 「(意味わかんねぇ)あーそうか。じゃあなおやすみ」 「副長ーーー!(ガシッ!)」 「うおっ!おまえ服ひっぱんじゃねー!」 「ふくちょー・・・」 「・・・わーったよ!入れよ!!」 よっしゃあ!勝った粘り勝ちー!諦めてため息をついた副長の後に続いて部屋に入る。失礼しまーすといいながら入るとぱしんと襖が閉まった。つーか部屋暗い!結局怖いわ! 「おまえゾンビとかいるわけねーだろ何びびってんの馬鹿だろ」 「う、うううるさいですよ!副長だって前蚊の天人にびびりまくりだったじゃないですか!」 そうだ忘れはしない。あの時の副長は凄い笑えた。私も怖かったけど副長のびびりっぷりを見たら落ち着くことができた。万事屋の坂田さんといい勝負だったな・・・。 「お、おまえ俺がびびるわけねーだろ!?」 「・・・ふ、副長。うしろ・・・」 がたん!と言った途端副長は部屋にあった壷の中に飛び込んだ。壷から副長の足が飛び出ていて正直気持ち悪い。 「副長ちょっと気持ち悪いです」 「うるせぇえおまえ文句言うなら出ていけ!」 冗談ですってばーと言いつつ布団に潜り込む。あーすっかり冷たくなっちゃってるよ・・・。 「おまえ何してんだ」 「何って・・・布団に入ってんですよ、明日朝から見回りで寝ないとやばいんです」 「おまえなめてんのかぁあ!」 「失礼な!ちなみに副長との見回りなんで副長も早く寝ないとキツイですよ!ほらほら!」 うらぁ!と言いながら副長を布団に引きずりこんだ。 「さあ寝ましょーか!」 「(もうどうにでもなれ)」 「・・・副長怖いんで手繋いでください」 「(もう嫌なってきた)」 |