「ねえ土方」

「あ?」

「卒業だね」

「そーだな」

「卒業式って来賓の挨拶とか祝電披露が長くて嫌だよね」

「校長の話とかな」

「学年合唱は泣けるなあ」

「泣くのか?」

「わかんないけど。でも周りが泣いたら泣いちゃうかも」

「もらい泣きか」

「そーそー、ってかさ、土方ってどこの進路?ニート?フリーター?」

「警察学校」

「うっそ本当?わー知らなかった〜」

「近藤さんも総悟も同じトコだぞ」

「あ、近藤さんと総悟が警察学校って事は知らなかった」

「オイ、なんで俺だけしらねーんだよ仮にも彼女だろーがよ」

「仮にも彼女だけどさあしょうがないよ、なに?土方私の進学先知ってるの?」

「看護学校だろ」

「わ、知ってたよ。え、何?ストーカー?」

「あほかテメェエエ!ストーカーな訳あるか!仮にも彼氏だったら知ってるわ!」

「まじかー仮にも彼女なのに知らなかった〜あはは」

「・・・」

「ちょっとちょっと、凹まないでよーちゃんと土方の事愛してるから、愛でカバーだから大丈夫だって」

「何の大丈夫だよ・・・もー疲れるわおまえ」

「なに、愛想もこいそもついたわ!ってやつ?なに、別れちゃうの?卒業を機に別れちゃうか!別れちゃうの?!ね、答えなさいよ!ええ、ええ、分かってる!きっと晴れて警察官になった時かわいい交通課の女の子とかに迫られるかもしれないものね!捕まえた犯人の女の子から言い寄られるかもしれないものね!私なんて邪魔なのよね!ええ、分かってるわよ!別れてやるわこの馬鹿男!!」

「おまえ何一人盛り上がって完結させようとしてるんだよ!なんだよかわいい交通課の女って!妄想しすぎだろ!」

「どーせ妄想族ですよ土方のばーか!」

「んな事言ってねーだろ」

「いろいろ不安なんだから!・・・土方カッコイイし・・・モテるから言い寄ってくる女の子いっぱいいるだろうし・・・」

「・・・何馬鹿な事考えてんだよ」

「なっ」

「離れたからって変わるわけねーだろ」

「土方・・・」

「俺は、「あの〜すみませんお二人さん」

「「!?」」

「ここ教室だって事、忘れてません?」

「何二人でメロドラマってんでィ、痛すぎる・・・そんな痛い土方さんを撮影しておきやしたぜ」

「・・・!何してやがんだテメ、総悟!それ渡せ!」

「某動画サイトにアップしてやりまさァ」

「総悟ォオオ!!」






愛し君に


(卒業してもずっとよろしく!)