「そーご、そろそろ時間だよ」 私は隣で寝ている総悟を起こす。 出来れば私も総悟と一緒に寝ていたい。 この後の事を考えるとなおさら。 「もうそんな時間ですかィ」 「うん、土方さんがさっき来たの。そろそろ配置につけ、って」 「相変わらず人使いの荒い奴だ」 そう言って総悟は腕を上にグッと伸ばした。 「あーねみぃ」 「ずいぶんと余裕だねそーごは」 「当たり前でィ、いい加減慣れちまう」 「そっかぁ、私はダメだよやっぱり慣れれない」 だってね、この後総悟の綺麗な蜂蜜色の髪に赤い赤い、液体がつくんだよ? 顔にも手にも刀にも隊服にも。それでもしかしたら、ホントにもしかしたら、 総悟が、死、死んじゃう、かもしれないんだよ? それで私は総悟の事を想って毎日毎日毎日泣いて暮らすんだ。 そんなのって無いよね。え?私が死ぬ? えー、ないよそれは絶対ないよ!ありえない!あ、うん、でね、だから怖いの。 5分後にはどうなってるのかわかんないじゃない?お互い。総悟だけじゃなくて近藤さんに土方さんにみんなも。 怖いの、そーご、私怖い。斬ってる時も怖いんだよそーご、私、どうしよう。怖いよ! 私は一気にまくし立てた。怖かったから。 一気に言っちゃえば怖さも半減するような気がしたから。 あ、やばい。目の奥が熱い。 「」 呼ばれて顔をあげると気付いたら総悟の腕の中にいた。 「、そんなに怖がらなくていいんでィ。 まぁ、俺だって怖いし、近藤さんだってマヨラーだってきっと怖いと思ってら。 慣れると怖いは違うんでィ。討ち入りには慣れたほうが良いと思うけど怖さには慣れなくていい。 慣れたら終わりでィ。だから怖がればいい、あー、ビビリ過ぎんのはダメだけど」 そう言って総悟は微笑んだ。 つられて私も笑ってしまう。 そしたら頬に流れた涙が気になって拭おうとしたら総悟が唇をあてた。 「ちょ、そーご?!」 「怖がりお姫様に王子様からの誓いのキスでさァ」 「・・・?」 首を傾げてわからない、と総悟を見たらニヤ、と笑って耳元に唇を寄せてきた。 その低い声で囁かれた台詞に顔を赤くしながら「そーご!!」と叫んだら笑いながら さァ、いくぜィ。と言いながらパトカーの扉を開けて皆のいるところに去っていった。 くそぅ、あの野郎言い逃げか! 私もパトカーから出て総悟の後を追いかける。 走った勢いで総悟にタックルしたら土方さんに頭を叩かれた。(鬼!!) |